Kurume・Tosu Internet Conference

「The Journal of Internet」 Volume3,2000 || H O M E || || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8 || 9 || 10 || 11 || 12 || 13

 

「ビジネスとインターネット」

運営委員(有)ヒットシステムズ取締役
柘 植 薫
 
 「ビジネスとインターネット」と聞くと、最近テレビ等でもよく見ますが、「Eビジネス」 や「電子商取引」といった言葉が想像されます。 あまり聞き慣れない言葉のため、何だか難しそうなイメージがあり、自分には縁がないと いう感じも受けますが、実際のところ「インターネットをビジネスに活用しましょう」的 なことをいっています。 今まで、インターネットを話すときによくでてくるのが、テレホーダイ等の電話代、プロ バイダの接続料や回線速度、何処のホームページは役に立つといったことが主な内容でし た。 個人での利用に関して、一番障害になるのが電話料金ですから、料金をおさえる方法が話 の中心として当然でした。
  一方、ビジネス用途の場合、電話代や接続料も重要な要素ですが、個人と違い、会社の利 益になること(経費削減や、新しい販売方法)として考えた場合、インターネット上で、 どのようなサービスを顧客(自分を含めて)に提供していくかを考える必要があります。 また、インターネットを利用するからといって、特別なサービスを行うことより、昔から のサービスを提供し続けるための、道具の一つとして、インターネットのビジネス利用を 考えていただきたいと思います。
  例えば、ある製品を販売する場合、過去の類似した製品の購買実績等をみて、該当する顧 客に対し広告(DM)をうつと思います。インターネットの場合も、基本的に同じことを 行いますが、顧客に対し、直接電子メールを送信することが可能になります。顧客から、 商品に関する問い合わせがあった場合、電話と違い、電子メールでは、空いている時間を 利用して、まとめて対応ができるため、実際の問い合わせ件数以上に少人数で対応するこ とが可能になります。もちろん、問い合わせメールの返事が遅いと結果的に悪印象になり ますので、早い返事が必要になりますが、いつも話し中でなかなか問い合わせができなく、別のところで購入されるといったことは、減らすことができます。問い合わせ対応以外で は、新製品の紹介や、既存商品で興味があると思われるものの宣伝に利用することが可能 になります。
  こうした、インターネットを利用した新しいビジネスを始める場合に一番の問題になって いたのが、NTTの電話代でした。常時接続を前提にした場合、プロバイダの接続料をあ わせて、月々10万円(年間で120万円)くらいかかり、それだけの金額を払って見合 うサービスを提供できるのか?ということがはなされてきました。
  ところが、状況がかわり、NTTのOCNを筆頭に、比較的金額を抑えた常時接続サービ スや、低価格のサーバホスティングサービスがプロバイダから提供されるなど、インター ネットを利用する環境がかなり改善され、ちょっと試しにみたいな形で導入することが可能になってきました。
  特にサーバホスティングサービスは、インターネット上に公開するサーバをプロバイダ内 におくことで、アクセスが集中した時の回線速度はもちろん、セキュリティ面の確保といった、中小規模の企業で一番大変だと思われるサーバ管理をプロバイダにまかすことがで きるというメリットがあります。また、先ほどから話している、サーバ管理等からはなれ ることで、純粋にコンテンツやサービスを中心に検討することが可能になっています。
  一般的には、インターネットをビジネスで利用するためのインフラは、だいぶ整備されて きましたが、一方、久留米ではどうでしょうか?地域プロバイダであるインターネット久留米が、個人向け接続サービスが中心のため、結果的に、OCNやサーバホスティングを行っている、大手プロバイダを利用せざるえない状況になっています。
  久留米にある企業の情報化という面から、ぜひ、インターネット久留米には、低価格なサ ーバホスティングサービスについて、早期に実現していただきたいと思います。 こういった、接続環境等をオープンにしていくことで、さらに企業導入がすすんでいくことだと考えます。また、企業側もインターネットを利用するからといって特別なことを行うのでなく、既存 のサービスを効率よく行うための道具の一つとして、考えていただけると、導入しやすくなると思います。
  弊社では、企業向けのシステム構築を中心におこなっていますが、最近では、インターネ ットを利用した社員向けサービスの構築がずいぶんとあがるようになってきました。以前では、外部に公開することを考えるとセキュリティ上、難しいと思われるようなこと さえも、サービス向上のため導入に踏み切るところもあります。
  また、これだけインターネットから情報を得ることが当たり前になってくると、ホームページで自社の情報を公開していない企業は顧客から相手にされなくなるかもしれません。
  インターネットでビジネスというと難しく感じますが、インフラは以前に比べて、かなり整備されてきましたので、積極的に導入していただきたいと感じます。 また、プロバイダには、積極的にインターネットビジネスに参加できるインフラの提供を 望みます。 ぜひ、インターネットをビジネスで活用してみてはいかがでしょうか。


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